極上弁護士の耽溺プロポーズ
そのときスマートフォンの鳴る音がして、わたしはベッドルームに駆け戻った。

マリコからのメールだった。

『光希がしばらく休むって財務のユイちゃんに聞いた。大丈夫? しっかり体治しなよ』

そのメールを見て、わたしはようやく今日自分が仕事を休んだことを思い出した。

柊一くんとのことで頭がいっぱいで、今朝は仕事のことをすっかり忘れていたのだ。

少し自分に驚いた。

わたしは財務で、世界を飛び回って仕事をする営業ほど忙殺されていないけれど、相当激務をこなしていたのだ。

ワーカホリックだとは認めたくないけれど、働き出してから仕事以外の何かに打ち込んだ記憶はひとつもなかった。
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