極上弁護士の耽溺プロポーズ
柊一くんは瞬きもできなくなったわたしの髪を掻き上げて、赤くなった耳に指を絡ませた。

鼻先が触れ合う。

わたしは近すぎて少しぼやける柊一くんの顔ですらなんてきれいなんだろうと見惚れてしまっていた。

透き通るような淡い柊一くんの瞳に吸い込まれる。

「……」

そっと、唇が触れた。

まるで宝物にでも触れるような優しいキスに、とろけてしまいそうになる。

「まだダメか?」

「……へっ?」

緊張から、間の抜けたような声が出た。

「光希を抱きたい……」

とっさに後ずさりしようとしたわたしより一歩先に柊一くんの腕が伸びてきて、力強く抱き締められた。

ベッドに押し倒され、わたしは気が動転してしまう。

まだダメか? という柊一くんの言葉が頭の中で何度もこだまして、顔から火を噴きそうになった。

何も思い出していないのに、ダメもいいもない。

こんなことを平気でできる柊一くんは絶対におかしい! 

普通じゃない!
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