極上弁護士の耽溺プロポーズ
どうにか腰を引いて逃げようとすると、柊一くんの手がパジャマの裾を捲し上げるように動いた。

慌ててその手を両手で押し戻す。

上擦った声で、自分の中では目いっぱい身を挺したつもりの答えを返した。

「き、昨日みたいにぎゅってして、寝るだけならいいよっ……」

でもそれ以上はやめて、とそこまで言わなくても柊一くんはわかってくれたようで、頭の上で小さく笑う声がした。

「そんなに怯えられると傷つくんだけど」

「ご、ごめん……」

「安心しろ。無理強いするつもりはない」

「……よかった」

ぽろっと本音を漏らすと、柊一くんは再びふっと笑った。

「本当はこうして、ここにいてくれるだけでいいんだ……」

柊一くんの声が切なげに揺れた気がして、わたしはとっさに柊一くんを見上げた。

薄暗い室内に浮かぶ柊一くんの顔が、少しつらそうにわたしを見下ろしていた。
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