極上弁護士の耽溺プロポーズ
「情状酌量や減刑、無罪を勝ち取ることで、弁護士は名声を得ますからね。でも先生は弁護士としての理念をしっかり持っていて、倫理に反することは絶対にしません。だから私は先生に心服しているんです」

さらりと柊一くんへの尊敬を口にする椎葉さんに、わたしは聞き入っていた。

椎葉さんがそんなことを言うなんて少し意外だったけれど、柊一くんが褒められるのはやっぱりうれしいと思う。

「それよりも、あなたは本当に先生の恋人なんですか?」

けれど出し抜けに問われて、わたしは慌てふためいてしまった。

「な、なんですかいきなりっ」

椎葉は値踏みするような視線を向けてくる。

「だってね、今まで先生のベッドでお見かけしたことのないタイプだったので驚いたんですよ」

「……え?」

「え? って、あなたまさか、先生ほどの人が今まであなただけだなんて思ってるんじゃないでしょうね」

「お、思ってないです! 柊一くんがもてるのは知ってますっ」

わたしは首をぶんぶん横に振った。

柊一くんとはもう長い付き合いだ。

どれだけ柊一くんが引く手あまたかなんて身に染みて知っている。
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