極上弁護士の耽溺プロポーズ
「……それから、今夜は……部屋を別にしてほしい……」

柊一くんに、八つ当たりしている。

こう言うと、柊一くんが困るのを知っているから。

わたしは自分のフラストレーションを柊一くんに浴びせかけ、気晴らししようといていた。

「……光希が嫌なら、そうすればいい」

柊一くんはわたしの顔を見ようともせず、突き放すように冷たい声を出してソファから立ち上がった。

「……っ」

わたしは瞬く間に我に返る。

リビングルームを出て行く柊一くんの背中に、すぐに後悔が押し寄せた。

最低だ……。

わたしは本当にバカだ……。

喉が焼けるように熱くなってひりついた。

結局わたしは柊一くんに、わたしがいないとダメだと言ってほしかった。

それだけだった。

履き違えたプライドと単なる苛立ちを柊一くんにぶつけて、柊一くんを試した。

こんなわたしに、柊一くんは失望したのかもしれない。

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