極上弁護士の耽溺プロポーズ
ドアが閉まると同時に、わたしは体を起こしてもう一度時計を見た。

零時を過ぎている。

わたしの二十五回目の誕生日になっていた。

「……っ」

気がつけば、わたしはゲストルームから走り出していた。

自室でベッドに入ろうとしていた柊一くんが、予期せず開いたドアを振り返る。

わたしを見て、驚いた顔をした。

「すまない、起こしたか?」

わたしは何も言わず、柊一くんの胸に飛び込むように抱きついた。

その勢いで柊一くんがベッドに倒れそうになるほど、全力でしがみつく。

「……どうしたんだ?」

ためらうようにわたしの背中に回された腕の感触で、柊一くんが困惑しているのがわかった。

「……今日も……帰ってこないかと思ったっ……」

声が震える。

その震えを抑えるように、わたしは柊一くんを抱き締める手にさらに力を込めた。
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