極上弁護士の耽溺プロポーズ
「そういえば前に加賀さんが、光希のスマホから電話してきたことあったよね」

確か光希の退院の日だっけ、とマリコが思い出したように言った。

柊一くんがマリコに電話をしたことなんて知らない。

何も聞かされていなかった。

「そのとき加賀さんに、光希の元カレのことを全部話したけどよかったよね? 加賀さん、やけに詳しく聞いてきたんだけど。きっとすごく心配だったんだよね」

「……え?」

「わたしも光希のこと、本気で心配してる。光希、あんな二股男のことで死のうとするなんて、もうナシだよ」

「……!」

マリコのその言葉を聞いた直後、頭が割れるように痛み出した。

まるで、動きを封じられていた脳細胞が一気に活性化し、何かを突き動かし始めるように――。
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