極上弁護士の耽溺プロポーズ
けれど不意に、マリコの言葉が脳裏を掠めた。

「どうかしましたか?」

椎葉さんはわたしの顔色の変化を鋭く読み取って問いかけてきた。

わたしは憶測にすぎない疑念を拭い去ろうとしたけれど、どうしても訊かずにはいられなかった。

「椎葉さんはわたしの元カレを知っていますか……? 柊一くんも……、何か関わっていますか……?」

「は?」

「彼が今、弁護士秘書さんに夢中だって聞いたんです……」

椎葉さんはぱちぱちと瞬きをしてから、悪戯がバレた子どものように笑った。

「知ってたんですか」

「……!」

顔を引き攣らせたわたしに、椎葉さんは慌てて手を横に振った。

「ああいえ、確かにわたしは彼を存じ上げています。彼は今、わたしの友人の弁護士秘書に猛アプローチしているらしいので」
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