Love+War
私の気持ちとは裏腹に礼王様はにこやかに手を振っている




『礼王様!?なぜここに』

「海彩に会いたいからに決まって…」

『最っ低ですね』



礼王様が来てくださるのは大変嬉しいですが
今はにやけてる場合ではありません


ご令嬢が待っている筈
裏切れば礼王様のお母様の会社にもお父様の会社にもご迷惑がかかります




礼王様を何とか追い返そうとすると礼王様は心底落ち込まれた


『本日はご令嬢との約束がありましたよね?』

「あ…」


今思い出したといったような顔をしている
この状態は非常に不味かった

何でもやってあげてしまったせいで礼王様はスケジュール管理がまともに出来なくなっている!



すると、礼王様の手に持った紙袋に目が入る
中を引ったくって中身を見ればワンピースが入っていた

礼王様…。例え時間がかかっても相手の為におもてなしを考えるなんて
考えが浅い私は恥ずかしくなった

礼王様が約束をすっぽかすなんてあり得ません

礼王様に紙袋をお返しする





『礼王様、気をつけて言ってらっいませ』

「…は?」

「海彩ー!こっち来て…あら坊や。来てたの?海彩は忙しいの
早くあっちで遊んでなさい」

『緑川さん、何かありましたか?』

「湊が別のスタジオで撮影なんだけどね海彩付いてくれない」

『わかりました』






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