白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

 俺が言葉を発し終えた時。


 母さんは
「良かった。良かった」と言いながら
 その場に泣き崩れた。


 そして父さんは
 俺をギュッと抱きしめた。


 そして耳元で
 俺だけに聞こえるように囁いた。


「十環くんに『父親』って
 認めてもらえるように、頑張るから」って。


 俺の中ではもう
 父さんと母さんと姉さんが
 本当の家族って思えているけど
 恥ずかしくて口には出せなった。


 でも……


 俺の思いが
 父さんたちに伝わるように
 これからは家族に接していこうと思う。



「父さん……

 また俺に……

 写真を教えてくれないかな……

 子供の頃みたいに」


 父さんと母さんが
 目を合わせて微笑んだ。


「もちろん。 いろんな写真を撮ろうな」


「うん」

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