白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
「十環くん
俺、思うんだ。
『自分の気持ち』を
もっと大事にしていいんじゃないかって。
子供の頃ってさ
友達が喜ぶことをしましょうとか
友達を傷つけないようにしましょうとか
言われなかった?
子供の頃の俺はさ
そんな大人からの刷り込みで
勘違いしちゃってさ。
『友達のために、自分は我慢しなきゃ』って
思い込んでた。
そんなことばっかりしてたから
高校生になっても
親友以外のまえでは
素の自分が出せなくなっててさ。
でもさ
大人になって思うんだ。
もっと自分の気持ちを
大切にすればいいってね。
だってさ
誰かのために我慢して
嫌々何かしてたら
絶対に顔に出るでしょ?
反対にさ
自分が楽しいって思うことをしていたら
俺の周りの空気も弾んで
幸せなオーラみたいなものに
包まれると思うし。
だから十環くんが高校に入って
友達との距離感に悩んだら
『どうしたら自分が、心地よくなれるか?』
考えてみたら。
気を使いすぎると、疲れちゃうからね」