白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
唇をゆっくりと離すと
俺が顔を見られないくらい
うつむく結愛さん。
そして
モジモジしながら俺に言った。
「抱きしめてくれるって……
言ったのに……」
「ごめんなさい。
結愛さんの瞳がかわいくて……
止められなくて……」
もしかして俺
今のキスで結愛さんに嫌われた?
早まっちゃったのかも……
結愛さんに『やっぱり付き合えない』って
言われたらどうしよう……
俺、もう止められないほど
結愛さんのことが
好きでたまらなくなっちゃってるのに……
俺が心配そうな瞳で
結愛さんを見つめると
うつむいたままの結愛さんが
ぼそりと言った
「して欲しい……
もう1回だけ……」
俺の耳に届いた
今にも消えそうな甘酸っぱい声。
俺の脳がその言葉を理解したときには
もう自分を見失っていた。
俺は結愛さんのあごに手を当て
少し粗く結愛さんの顔を上げると
迷うことなく
結愛さんの唇に俺の唇を押し当てた。