白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

「十環くん、一緒に帰ろ」


「今日は生徒会のお仕事があるから
 帰れないって
 結愛さん言ってたよね?」


「そのお仕事
 お昼休みに終わらせちゃったんだ。

 十環くんと一緒に帰りたくて」



 ああ~


 そんな上目使いで
 俺のハートをくすぐるような
 言葉を言われたら
 今すぐ結愛さんのこと
 抱きしめたくなっちゃうし。



 誰にでも優しくて
 責任感があって
 それでいて、かわいく甘えてくる。


 結愛さんが
 俺の隣にいてくれるだけで
 本当に現実?って疑っちゃうくらい
 幸せすぎる。



 ずっと続いて欲しい。

 結愛さんとのこの幸せな日々が。


 俺は心から願っていた。


 そう願っていたのに……


 ラブラブな結愛さんとの間に
 初めて亀裂が入ったのは
 付き合いだして5か月後の
 夏休み明けだった。

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