白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
どうせ、口だけだよな?
俺と仲良くなったふりをして
明虹学園に
俺を入学させたいだけだよな?
そう思うのに
あいつの笑顔が忘れられない。
俺のことを認めて
受け入れてくれそうな優しい眼差しが
俺の脳裏に張り付いたまま
消えてくれない。
それに
俺に渡されたこれ。
あいつの宝物って言っていた。
普通渡さないよな?
初めて会った奴に
自分の宝物なんかさ。
あいつの顔を思い出すと
2つの思いが俺の中で乱れ絡まる。
『あいつと関わりたくない』という思いと。
『あいつと、話してみたい』という思い。
家に着くころには
後者の気持ちの方が大きく膨れていた。