白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

 ここは
 「チーム TODOMEKI(とどめき)」


 いわゆる、族のたまり場。


 いるのは
 15歳から20歳までの男だけ。


 初代の総長が
 中学生は入れないと決めていたらしいが
 俺は中1の時に、今の総長に拾われて
 特例で仲間に入れてもらっている。


 一番下っ端の俺が
 8人くらいに囲まれ、からかわれていると
 俺がこの世で一番尊敬する人が
 声をかけてきた。



「遅いぞ、十環!

 お前が来るの
 ずっと待ってたのによ」


「す……すいません。総長。

 ちょっと……学校帰りに
 知らない人に声をかけられて……」


「じゃ、そろそろ始めるぞ。

 早く暴れたいって
 ウズウズしてんだからな」


「はい! よろしくお願いします」


 俺は総長の後に続いて
 倉庫の奥まで行った。


 俺が中1で
 TODOMEKIの仲間に入れてもらってから
 時間があるとこうして総長が
 戦い方を教えてくれる。


 ありとあらゆる武術&格闘技を
 習得済みの総長は
 ただ木刀を手に佇むだけでも
 勇ましくカッコいい。


 俺が総長に見とれていた時
 睨み殺されそうな殺気を漂わせ
 俺に木刀を振り下ろしてきた。

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