しあわせ食堂の異世界ご飯6
 前髪の部分から編み込み後ろへ流し、アップスタイルに。そしてその上には、花柄のヴェールとプラチナのティアラ。
 ロングトレーンのドレスは幾重にもレースが重ねられていて、上品な仕立てでアリアをより高貴に見せている。

 美しい――と、リベルトが思わず見惚れてしまったのも無理はない。
「すまない。鏡の前で表情をころころ変えるアリアが可愛くて、思わず見入ってしまったみたいだ」
 笑いを押し殺しながら、リベルトはアリアに手を差し伸べる。
「時間だ。行こうか、アリア」

 優しい笑みを浮かべアリアを見るリベルトは、シルバーがかった白色のタキシードに身を包み、落ち着いた水色のタイをしている。
 グレーのラインが入り、リベルトの体のラインが綺麗に見え――アリアはその姿に見惚れてしまう。

「……はい」
 アリアがゆっくり手を差し伸べると、その甲にリベルトの口づけが落とされる。その優雅な仕草に、目を奪われて仕方ない。
 そのまま長い廊下へ出て、青の絨毯に沿って歩いていくと式を行う大聖堂の入口へと着く。
 長い廊下で、なにかを話さなければ――そう思うのだが、アリアはなにも言葉が出てこない。
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