しあわせ食堂の異世界ご飯6
 とはいえコンロは今のメニューですべて埋めてしまっているので、そう簡単に使うことはできない。
 なにか、なにか……と考え、ぴこんと閃きアリアは手を叩く。
「寒い日にうってつけだし、あれを作ろう!」
 となると、必要な材料を市場へ買いに行かなければいけない。
「うん、材料があれば作れるし……いいかも」
 作りたいものが決まったので、気分がうきうきしてくる。最近はカミルやエマにも心配をかけてしまっていたため、お詫びも兼ねてとびきり美味しく作りたい。
 後でシャルルと一緒に買い物に行って、その後はエマに相談しようとアリアは考えを巡らせた。

 ***

 仕事も終わり、夕方。
 アリアはシャルルとカミルと三人で市場までやってきた。寒さが厳しくなってきたこともあり、いつもより店数と品物が少なくなっているようだ。
 葉野菜の種類が減り、価格が若干上がっている。肉類は保存のききやすい干し肉などが増えていて、本格的に冬がくるのだろうことが見て取れる。

 カミルが周辺の店を見ながら、「そういえば」と話題を振る。
「最近、まったくリズがこないけど……どうしたんだろうな?」
「「……っ!」」
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