しあわせ食堂の異世界ご飯６
　そして三つ目のコンロは、ハンバーグ、卵焼きやナポリタンなど調理が必要なメニューのために空けてある。

　その点に関しての説明をしていなかったと、アリアは煮込みながら次の工程の話をする。
　先ほども考えていたが、コンロを使うのはホワイトソースの完成までだ。
「フライパンで調理をするのはこれだけで、あとは窯を使うの」
「窯？」
「うん。しまってあるお皿の中にちょうどいいのがあったから、それを使おうと思ってるんだよね」
　アリアは戸棚にしまってあった、グラタン皿に似た深めのお皿を取り出す。
　そこに薄くバターを塗り、煮込み終わったホワイトソースを流し入れて、買ってきたチーズをかける。あとは窯で十分弱ほど焼けば完成だ。
「へえ、こうなるのか……。あ、じゃあこの状態まで朝に仕込んで、注文が入ったら窯で焼くってことか？」
「大正解！」
　そうすれば、朝の仕込み中も営業時間中も、コンロの数は足りる計算になる。
　アリアの説明を聞き、カミルは「すごいな！」とはしゃぐ。そして早く窯に入れて焼き上げたくて仕方がない様子だ。
「早く食べてみようぜ！　じゃないと、食材の手配だってできないし」
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