しあわせ食堂の異世界ご飯６
　門番が笑顔で伝えると、アリアも嬉しそうに笑う。それを見て、思ったよりもアリアが元気そうなことに門番はほっとする。
「もちろん。しあわせ食堂の料理はいつでも美味しいですから！」
「では遠慮なく、いただきます」
「はい」
　ごゆっくり、そう言葉を残してアリアは厨房へ戻る。すると、カミルが片づけを始めているところだった。
「……？」
　まだカレーのストックは残っているので、店を閉めるには少し早い。なにかあったのだろうかと、アリアは店内へ目を向ける。
　すると、ちょうど外から店内に戻ってくるエマが見えた。
（あ、エマさん外に出てたんだ）
　お客さんの案内をしていたのだろうと考えるが……それにしては、次のお客さんが入ってくる様子がない。席は空いているのに。
　首を傾げていると、自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「アリア、こっちこっち」
「カミル？」
　振り返ると、椅子と、作業台の上に飲み物が用意してあった。営業中なので、まだお昼休憩の時間には早い。
（なんだろう？）
　意図が掴めないけれど、カミルが勧めてくれたので、とりあえず椅子に座る。すると、疲れていたのか体から力が抜けていくのがわかった。
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表紙・目次

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