婚約破棄された悪役令嬢は、気ままな人生を謳歌する
(待って、“悪魔の塔”は? “悪魔の塔”に幽閉されるんじゃないの?)
そこでアンジェリ―ナは、はっと我に返った。遠い記憶の一片が、脳裏に蘇る。
「まさか……幻の激レアルート……?」
『王子と乙女のセレナーデ』には、十種類のルートが存在した。
その中に、幻の激レアルートと呼ばれるシナリオがあった。前世でこのゲームをやり込んだアンジェリ―ナすら、一度しか辿り着けなかった難解ルートだ。そのため、記憶もあいまいである。
激レアルートは、身分差を超え、エリーゼとスチュアートがめでたく結ばれるところまでは他のルートと一緒だ。だがそのあとに、悪役令嬢アンジェリ―ナを主人公としたシナリオがスタートする。
そこで悪役令嬢は、“悪魔の塔”に幽閉されることなく領地に返され、突如出てきた後付けキャラを攻略して幸せを掴んでしまうのだ。
「だ、だめえ……っ!」
思わず、絶叫するアンジェリ―ナ。
これでは、アンジェリ―ナの計画が狂ってしまう。後付けキャラ攻略になど、興味はないのだ。
「お前が取り乱すのは珍しいな。そんなにイヤか? そんなに私と結婚したかったか?」
そこでアンジェリ―ナは、はっと我に返った。遠い記憶の一片が、脳裏に蘇る。
「まさか……幻の激レアルート……?」
『王子と乙女のセレナーデ』には、十種類のルートが存在した。
その中に、幻の激レアルートと呼ばれるシナリオがあった。前世でこのゲームをやり込んだアンジェリ―ナすら、一度しか辿り着けなかった難解ルートだ。そのため、記憶もあいまいである。
激レアルートは、身分差を超え、エリーゼとスチュアートがめでたく結ばれるところまでは他のルートと一緒だ。だがそのあとに、悪役令嬢アンジェリ―ナを主人公としたシナリオがスタートする。
そこで悪役令嬢は、“悪魔の塔”に幽閉されることなく領地に返され、突如出てきた後付けキャラを攻略して幸せを掴んでしまうのだ。
「だ、だめえ……っ!」
思わず、絶叫するアンジェリ―ナ。
これでは、アンジェリ―ナの計画が狂ってしまう。後付けキャラ攻略になど、興味はないのだ。
「お前が取り乱すのは珍しいな。そんなにイヤか? そんなに私と結婚したかったか?」