婚約破棄された悪役令嬢は、気ままな人生を謳歌する
もちろん、アンジェリ―ナの告白は全て虚言だ。男性とはそういった関係になるどころか、触れ合ったことすらない。
だがスチュア―トが信じ込めば、アンジェリ―ナには最大の罰が下されるだろう。王子の婚約者たるもの、不貞は到底許される行為ではない。
最大の罰とはつまり、“悪魔の塔”への幽閉である。
「な、なんて下品な女なんだ……!」
(そうよ、その調子よ。もう一声!)
火を吹いたヤカンのように、赤い顔でプルプルと震えているスチュアートは滑稽でもあった。スチュアートにしろ、攫われイベントの際にエリーゼとキスをしているはずなのに、自分のことは棚に上げるつもりらしい。
だが、アンジェリ―ナにとって、そんなことはどうでもよかった。しいていえば、エリーゼの恥じらう顔が見られなかったのが心残りなくらいだ。
エリーゼは、ますますもって困惑の表情を浮かべている。わざわざ自分の立場を追い込む発言をしたアンジェリ―ナの意図が、全く読めないからだろう。
だが、怒りの極致に達しているスチュアートは、アンジェリ―ナの不可思議な行動には気づいていない。ララの言う通り、ポンコツ王子でつくづくよかったと思う。
だがスチュア―トが信じ込めば、アンジェリ―ナには最大の罰が下されるだろう。王子の婚約者たるもの、不貞は到底許される行為ではない。
最大の罰とはつまり、“悪魔の塔”への幽閉である。
「な、なんて下品な女なんだ……!」
(そうよ、その調子よ。もう一声!)
火を吹いたヤカンのように、赤い顔でプルプルと震えているスチュアートは滑稽でもあった。スチュアートにしろ、攫われイベントの際にエリーゼとキスをしているはずなのに、自分のことは棚に上げるつもりらしい。
だが、アンジェリ―ナにとって、そんなことはどうでもよかった。しいていえば、エリーゼの恥じらう顔が見られなかったのが心残りなくらいだ。
エリーゼは、ますますもって困惑の表情を浮かべている。わざわざ自分の立場を追い込む発言をしたアンジェリ―ナの意図が、全く読めないからだろう。
だが、怒りの極致に達しているスチュアートは、アンジェリ―ナの不可思議な行動には気づいていない。ララの言う通り、ポンコツ王子でつくづくよかったと思う。