婚約破棄された悪役令嬢は、気ままな人生を謳歌する
それから、再び胸元に手を突っ込み巻いた紙を取り出す。その紙は、広げるとアンジェリ―ナの背丈と変わらないくらいの長さがあった。
「アンジェリ―ナ様、何ですかそれ?」
「秘密のリストよ」
紙には、アンジェリ―ナが前世で早期リタイヤ後に楽しみたかったネクラ趣味が、余すところなく記されていた。前世の記憶を取り戻してからすぐに書き連ねたものだ。
リストをひとつひとつ確認していたアンジェリ―ナが、やがて「よし!」と顔を上げる。それから、唖然としているララとトーマスを振り返った。
「この部屋、今から使わせていただくわ」
※
ララは、気が気ではなかった。
“悪魔の塔”に来てすぐ、地下にあるひときわ暗く陰湿な部屋に、アンジェリ―ナは半日以上引きこもった。それからというもの、寝るときと食べるとき以外は、地下室で過ごしている。目立った行動といえば、ときどき桶に大量の水を入れ、黙々と地下室に運んでいることぐらいだ。
いったい何をしているのだろうと気にはなるが、嫌な予感がして、ララはいまだ確かめることができずにいた。
「アンジェリ―ナ様、何ですかそれ?」
「秘密のリストよ」
紙には、アンジェリ―ナが前世で早期リタイヤ後に楽しみたかったネクラ趣味が、余すところなく記されていた。前世の記憶を取り戻してからすぐに書き連ねたものだ。
リストをひとつひとつ確認していたアンジェリ―ナが、やがて「よし!」と顔を上げる。それから、唖然としているララとトーマスを振り返った。
「この部屋、今から使わせていただくわ」
※
ララは、気が気ではなかった。
“悪魔の塔”に来てすぐ、地下にあるひときわ暗く陰湿な部屋に、アンジェリ―ナは半日以上引きこもった。それからというもの、寝るときと食べるとき以外は、地下室で過ごしている。目立った行動といえば、ときどき桶に大量の水を入れ、黙々と地下室に運んでいることぐらいだ。
いったい何をしているのだろうと気にはなるが、嫌な予感がして、ララはいまだ確かめることができずにいた。