婚約破棄された悪役令嬢は、気ままな人生を謳歌する
「そんなことないわ、トーマス。もやしは、ちゃんと食べられるわよ」
「ええっ。そうだとしても、食べたくないです。どう考えても不味そうですだ」
「あらそうかしら? では、試してみてよ」
俄然闘志のわいてきたアンジェリ―ナは、ドレスの袖をまくった。
(もやしよ。今こそ、実力の見せどころよ)
アンジェリ―ナは、ざっと厨房を見渡した。
罪人を幽閉するための塔にしては、この厨房は備品や材料が整い過ぎている。
チョイスしたのは、塩、ごま、にんにく、そして昨晩のメニューだったスープの残りだ。鶏肉の入ったそのスープは、ララが作ってくれたものだった。しっかり鶏の出汁が効いていて、鶏ガラスープの代わりになるだろう。
アンジェリ―ナは、まずは鍋に沸かした湯でもやしを茹で、しっかり水気を切った。それからチョイスした調味料と刻んだにんにくを、深皿で混ぜ合わせる。仕上げに、この日のために用意しておいた壺を取り出した。
「それ、何ですか?」
アンジェリ―ナの様子を不思議そうに見ていたララが、横からひょっこり聞いてくる。
「ごま油よ。風味が豊かなの」
「ええっ。そうだとしても、食べたくないです。どう考えても不味そうですだ」
「あらそうかしら? では、試してみてよ」
俄然闘志のわいてきたアンジェリ―ナは、ドレスの袖をまくった。
(もやしよ。今こそ、実力の見せどころよ)
アンジェリ―ナは、ざっと厨房を見渡した。
罪人を幽閉するための塔にしては、この厨房は備品や材料が整い過ぎている。
チョイスしたのは、塩、ごま、にんにく、そして昨晩のメニューだったスープの残りだ。鶏肉の入ったそのスープは、ララが作ってくれたものだった。しっかり鶏の出汁が効いていて、鶏ガラスープの代わりになるだろう。
アンジェリ―ナは、まずは鍋に沸かした湯でもやしを茹で、しっかり水気を切った。それからチョイスした調味料と刻んだにんにくを、深皿で混ぜ合わせる。仕上げに、この日のために用意しておいた壺を取り出した。
「それ、何ですか?」
アンジェリ―ナの様子を不思議そうに見ていたララが、横からひょっこり聞いてくる。
「ごま油よ。風味が豊かなの」