婚約破棄された悪役令嬢は、気ままな人生を謳歌する
「あ、いや、こっちの話です。では、あっしは小屋に戻りますだ。今日は物資が届く日ですので」
照れを誤魔化すように、トーマスが食堂を出て行く。
(なに? あのトーマスにはどう考えても不似合いなピンク色の空気は……。まさかトーマス、ララのことが気になってる?)
そこでアンジェリ―ナは、顔を上気させ、ポンッと手を叩いた。
(そうだ! 恋愛観察バラエティが存在しないなら、自分で作ればいいのよ!)
「ラ~ラ!」
掃除を終えたララが階下に降りて来たところで、アンジェリ―ナは上機嫌で声をかけた。
「アンジェリ―ナ様。どうかされましたか?」
「今、忙しい?」
「忙しいです。洗濯物を干さないといけないので」
「それはあとでいいから。クッキー作ってくれない? ほら、お屋敷で子供の頃によくクッキー作ってくれたじゃない」
「ええっ、今ですか?」
ララが、露骨に顔をしかめる。
「なんだか無性にクッキーが食べたい気分なの。そこを、どうかお願い」
アンジェリ―ナが縋るようにララを見れば、彼女の瞳が揺れ動く。
照れを誤魔化すように、トーマスが食堂を出て行く。
(なに? あのトーマスにはどう考えても不似合いなピンク色の空気は……。まさかトーマス、ララのことが気になってる?)
そこでアンジェリ―ナは、顔を上気させ、ポンッと手を叩いた。
(そうだ! 恋愛観察バラエティが存在しないなら、自分で作ればいいのよ!)
「ラ~ラ!」
掃除を終えたララが階下に降りて来たところで、アンジェリ―ナは上機嫌で声をかけた。
「アンジェリ―ナ様。どうかされましたか?」
「今、忙しい?」
「忙しいです。洗濯物を干さないといけないので」
「それはあとでいいから。クッキー作ってくれない? ほら、お屋敷で子供の頃によくクッキー作ってくれたじゃない」
「ええっ、今ですか?」
ララが、露骨に顔をしかめる。
「なんだか無性にクッキーが食べたい気分なの。そこを、どうかお願い」
アンジェリ―ナが縋るようにララを見れば、彼女の瞳が揺れ動く。