婚約破棄された悪役令嬢は、気ままな人生を謳歌する
アンジェリ―ナが宴の間に姿を現せば、舞台は完全に整っていた。
深紅の絨毯が広がる部屋の中心にスチュアートがいて、ギャラリーはこれから起こるイベントを見守るかのように、ヒソヒソと囁き合いながら周囲に立ち尽くしている。
「待っていたぞ、アンジェリ―ナ」
水色のジュストコールを身に纏ったスチュアートが、咎めるような目をしてこちらへと歩んできた。その腕には、清楚な水色のドレスを着たエリーゼが連れ添っている。衣装の色を揃えたのは、意識してのことだろう。
(まあ、今日もなんて可愛いの)
前世で『王子と乙女のセレナーデ』をプレイしていたときから、アンジェリ―ナはエリーゼのファンだった。給料日の度に、ネット通販で、クリアファイルやマウスパッドなど彼女のキャラグッズを取り揃えたものだ。
正直、攻略対象であるスチュアートなどどうでもよかった。エリーゼの恥ずかしそうな顔や、はにかむ笑顔。彼女のスチルを見たいがために、あらゆるルートを開拓し、ゲームを完全制覇した。昔から、男性アイドルよりも女性アイドルにのめりこむ性質なのだ。
深紅の絨毯が広がる部屋の中心にスチュアートがいて、ギャラリーはこれから起こるイベントを見守るかのように、ヒソヒソと囁き合いながら周囲に立ち尽くしている。
「待っていたぞ、アンジェリ―ナ」
水色のジュストコールを身に纏ったスチュアートが、咎めるような目をしてこちらへと歩んできた。その腕には、清楚な水色のドレスを着たエリーゼが連れ添っている。衣装の色を揃えたのは、意識してのことだろう。
(まあ、今日もなんて可愛いの)
前世で『王子と乙女のセレナーデ』をプレイしていたときから、アンジェリ―ナはエリーゼのファンだった。給料日の度に、ネット通販で、クリアファイルやマウスパッドなど彼女のキャラグッズを取り揃えたものだ。
正直、攻略対象であるスチュアートなどどうでもよかった。エリーゼの恥ずかしそうな顔や、はにかむ笑顔。彼女のスチルを見たいがために、あらゆるルートを開拓し、ゲームを完全制覇した。昔から、男性アイドルよりも女性アイドルにのめりこむ性質なのだ。