三月のバスで待ってる


そして、ある日突然、学校に行けなくなった。学校に近づこうとすると、激しい動悸がした。

ーーもう無理。行きたくない。

私はいつも通り制服を着て家を出て、街をふらふらと歩いた。

どこか遠くに行きたくて、電車に乗った。

行き先もわからず適当な駅で降りた。ここはどこだろう。誰かに尋ねる勇気もなく、知らない街を彷徨った。

こんなところにいても、何にもならないとわかっていた。

少し遠くへ来たからといって、何かが変わるわけじゃない。

何も変えられない。

絶望感に包まれながら線路を横切ろうとした時。


ーーカンカンカンカンカン。


えっ、と思った時にはもう、目の前に遮断機が降りてきて、私は線路の中に閉じ込められていた。

頭が真っ白になって、その場から一歩も動けなかった。

逃げなきゃ、でも、どこに、どうやって。

誰かの声が聞こえた。
遠くのほうにかすかに電車が見えた。

一歩も動くことができない。

ああ、ここで死ぬんだな、と思った。
それでも、いいかもしれない。

そこで、ぷつりと映像を切るみたいに意識が途切れた。

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