二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて番外編『京都の夜』
「今、コーヒー淹れるから、そこにでも座ってて」そう言って壁際の、古そうだけど、座り心地の良さそうな革張りのソファーを指さした。
「こういうお店に来たの、わたし、はじめて」
「いい店だろう。落ち着いてて。おれが置いてもらってたときは、週末に生演奏があったりして、結構、にぎわってたんだけどな」
「おまえがいると、おまえ目当ての若い子が来るからこっちも助かってたよ。ああ、失敬、彼女の前で言うことでもなかったな」
こぽこぽとお湯の沸騰する音がして、コーヒーの芳香が漂ってきた。
「……どうぞ」
「えーと」とテーブルの上に砂糖とミルクを探したが、置いていない。
夏瑛の様子に気づいた靭也が「そのまま飲んでみろよ。おいしいから」と言った。
コーヒーをブラックで飲んだことはなかったので夏瑛はおそるおそる口をつけた。
一口飲んだとたん感嘆の声を漏らした。
「おいしい! いつも飲んでるコーヒーと全然ちがう!」
「だろ」靭也はまるで自分がほめられたように誇らしげな顔をした。
「こういうお店に来たの、わたし、はじめて」
「いい店だろう。落ち着いてて。おれが置いてもらってたときは、週末に生演奏があったりして、結構、にぎわってたんだけどな」
「おまえがいると、おまえ目当ての若い子が来るからこっちも助かってたよ。ああ、失敬、彼女の前で言うことでもなかったな」
こぽこぽとお湯の沸騰する音がして、コーヒーの芳香が漂ってきた。
「……どうぞ」
「えーと」とテーブルの上に砂糖とミルクを探したが、置いていない。
夏瑛の様子に気づいた靭也が「そのまま飲んでみろよ。おいしいから」と言った。
コーヒーをブラックで飲んだことはなかったので夏瑛はおそるおそる口をつけた。
一口飲んだとたん感嘆の声を漏らした。
「おいしい! いつも飲んでるコーヒーと全然ちがう!」
「だろ」靭也はまるで自分がほめられたように誇らしげな顔をした。