二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて番外編『京都の夜』
「パーティーは何時から?」

 自分のコーヒーカップを手にして、中村もソファーのそばのスツールに腰かけた。

「パーティーなんてそんな大げさなもんじゃないよ。最近まで来てくれてた、奇特な常連さんに声をかけて集まってもらって、あとはちょっとしたセッションもするけど。7時すぎぐらいから、ぼつぼつ集まってくるんじゃないかな。お客は」

「また何で、店たたむことにしたの?」

「ここらでちょっと違う人生を歩むのもいいかと思って、なんてカッコイイセリフが吐けりゃいいんだけど、実は親の具合が悪くなって実家に戻ることにしたんだ。月並みな話だよ。まあ、さんざん親不幸したからちょっとは罪滅ぼしもしないとな」

「千葉だっけ、実家」

「ああ」

「じゃ、かえって近くなるな。たまに会えるかな」
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