ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



それだけにとどまらず


「オレはさ、仕事上での同志に恋心を抱いたりはできないな・・相手の実力を認めていればいるほどね・・・ましてや、自分の大切な患者さんを預けることなんて簡単にはできないけどな・・・よほど信頼している同志じゃないとね・・・・ま、、オレはそんな感じだけどな。」


俺が美咲にちゃんと伝えることができていないことまでも
森村医師はわかりやすく美咲に伝えてくれていた。



「退院して落ち着いたら、ちゃんと外来診察、来るように!!!まだ、治療途中だから。」


伶菜にも主治医らしい言葉かけをしていて。


胸倉を掴んで壁に追いやってしまったぐらい俺の感情を搔き乱した相手だったのに
伶菜だけなく、俺がフォローしなくてはならなかった美咲までもをフォローしてくれた

おそらく、ここにいた人間で
最も状況を冷静に見つめていたのは彼だったに違いない


整形外科、手の外科専門の医師としての腕の良さだけでなく
ひとりの人間としての器の大きさまでもを感じずにはいられない


ひとりの男としては悔しいけれど
彼は感謝しなくてはならない人だろう


それを感じていたのは俺だけではなかったようで


「あの・・・ありがとうございます!!!!」

「ああ、オレに任せろ。完璧に治してやるから。」

『お願いします!』


伶菜も俺と同様だったらしい


彼女が惹かれても仕方がない人間
それを認めずにはいられない



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