一粒トリュフに想いを込めて
一粒トリュフに想いを込めて
カタカタ、カタカターー

「真帆ちゃん、お昼行けそう?」

先輩の声にハッとして時計を見れば、12時を数分過ぎたところだった

「はい、行けます!!」

慌ててデータを保存して、足元に置いてあるかばんからランチバッグを取り出した

「お待たせしました」

「じゃあ、行きましょう」

ニコリと笑った先輩と並んで社員食堂へ向かう


わたしの名前は豊川真帆
4月に食品メーカーの会社に入社し、経理部に配属された社会人1年目

身長160cmで高くも低くもない
体型も太ってはないけど、モデルさんみたいに細くもない
そして、1度も染めたことのないストレートの黒髪に、化粧っ気の少ない顔

特に印象に残らない外見
普通、ただただ普通のOLだ


そして、わたしに声をかけてくれたのは、入社5年目の先輩である松川みなみさん

ダークブラウンのふわふわとした胸元まである髪の毛
濃すぎず、でもとても華やかなメイク
ニコリと笑うとエクボが見え
大人の雰囲気漂う美人な先輩だ

経理部に配属されてから、仕事はもちろん、こうやってお昼休憩になる度に声をかけてくれる優しくて大好きな先輩


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