一粒トリュフに想いを込めて
「真帆ちゃん?なにかあった?」

みなみさんの声にハッとする

「あ、いえ、なんでもないです」

やばい、今日はみなみさんのために来たのに…

「そう?なんか上の空みたいだから」

「あ、すみませんっ…。
でもほんとに大丈夫ですから。
それより、みなみさんはなにを作りたいんですか?」

さっきのことは一旦忘れよう
いや、忘れるなんて出来ないけど…
頭の隅に追いやろう

今は、みなみさんのことだけ考えなくちゃ


「えっとね…トリュフを作りたいんだけど…。
初心者でも作れるかな?」

「トリュフですね。大丈夫ですよ!!
調理器具も全部揃ってますから、我が家で作りましょう?」

「いいの?ほんとに助かる。ありがとうね」

「いえいえ、いつもお世話になってますから。
先輩のためにがんばりますね」

「ふふっ、ありがとう」


みなみさんには公私共にお世話になってるんだもん

お返しなんて言うのはおこがましいけど…

わたしなんかでお役に立てることがあるなら、精一杯がんばります


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