一粒トリュフに想いを込めて

心は動揺しながらも、何事もなかったかのように仕事をこなす日々を過ごした

そしてバレンタイン前日、わたしは駅前でみなみさんを待ちながら、道行くひとを眺めていた


日曜日だけあって駅前にはたくさんの人がいる


1日早いバレンタインデートを楽しむカップル

駅前にあるデパートの方へ向かう女性たち


みんな、キラキラと輝いているように見えた



恋、してるんだなぁ……



「真帆ちゃんっ、待たせちゃったね」

みなみさんが改札を抜けて駆けてきた


「いえ、わたしも来たばかりですから」

「ほんと？それなら良いんだけど。
今日はよろしくお願いします」

「はい。じゃあ、行きましょうか」


みなみさんと並んで自宅への道のりを歩く

社会人になって一人暮らしを始めて10ヶ月
家に家族以外を招くのは初めてだ