一粒トリュフに想いを込めて
「みなみさん、自販機に寄っていくので先に戻っててください」

デスクに戻る前に給湯室近くの自販機へ向かう


すると誰かの話し声が聞こえてきた


自販機が影になって相手の顔は見えない


でも、この声は知ってる


「結城さん……」

 



「ごめん、俺、好きな女の子からのしか受け取らないって決めてるから」





そんな声が聞こえてきた



あぁ、きっと誰かが結城さんにチョコを渡そうとしたんだ

それであの言葉


やっぱりほんとだったんだ……


わかってはいたけど、結城さんの声で聞くと、より現実を突きつけられたみたい



わたしはそっと、その場を後にした




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