一粒トリュフに想いを込めて
「あの…えっと…知ってますよ?」

「は?」

「中条さんに彼女がいること…」

「知ってる?」

「え?あの…はい……」

何故だろう…
余計機嫌が悪くなった気がする

それに手首を掴まれる力が強くなった気がする

わたしが知ってたのが気に入らないのかな…

そんなに嫌われてたのかな…


情けなくてじわりと涙が浮かんできそうになる


「うーん…もしかしてさ、勘違いしてる?」


ピリピリしたムードを壊すかのような中条さんののんびりとした声色


「勘違い?」

「俺の彼女って松川なんだよね」

「は?」

「だから、松川みなみ。豊川ちゃんの先輩。
だから、今度3人でごはん食べようって言ってたんだけど」

「3人…?」

「そう、3人。
ふーん…そうか。お前がね〜…」


結城さんは目元を手で覆っているようで表情はわからないけど
中条さんは、何故かニヤニヤとしている


「まあ、あとはがんばって。
俺は先戻るわ。
豊川ちゃんもまたね〜」


中条さんは手をヒラヒラとさせながらいなくなってしまった


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