一粒トリュフに想いを込めて
この歳になっても恋愛経験がないわたしを、先輩はいつも気にかけて心配してくれている

今まで、恋愛する機会がなかったわけじゃない

中学だって、高校だって、大学だって
全て共学だったんだから

それでもわたしは、未だに未経験


それはこの地味で普通な外見ももちろんあるだろうし、それが理由の大半を締めているんだろうけど

それとは別に、わたしに余裕がなかったから


小学6年の時
両親が事故に遭い亡くなってしまった

わたしの授業参観に向かう途中での事故だった


辛くて…悲しくて…
どれだけ泣いたかわからない…

ひとりにしないで…
わたしも連れてって…
どれほど望んだかわからない…


そんなわたしを引き取り、育ててくれたのは、父の弟夫婦の叔父さんと叔母さんだった

叔父さん夫婦には子どもがおらず、ひとりになるわたしをすぐに引き取ると言ってくれた

「真帆ちゃんは娘も同然だから」

その言葉にどれだけ救われただろうか



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