強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
頭を悩ませていると、そんな私を見ながらおじさんがフッと優しい笑みを浮かべた。


「でも、真夜のことだから、明ちゃんから貰うものなら何でも喜ぶと思うよ。なんせあいつが一番欲しがっていたのは明ちゃんだったから」


「え?」

不意に告げられたその言葉の意味が分からなくて首をひねると、おじさんがハッとしたような表情を見せた。

「おっと、余計なこと言ったかな。今のは聞かなかったことにしておいて」

「……」

そう言われても気になってしまう。


真夜が、一番欲しがっていたのは私?


それってどういう意味だろう……。

気になっておじさんに尋ねようとした。けれど、おじさんの容態を確認するために看護師さんが入室してきたので、聞きづらくなってしまう。

仕方ないので、私はそのまま病室を後にすることにした。


その帰り道。

私は、真夜との結婚が決まった半年前のことを思い出していた――……


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