強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
そういえばあの日も、台風が近づいてきているせいで、風がとても強い日の夕方だった。


中学生になって半年ほどが経った頃、その当時の真夜の彼女に声を掛けられたことがあった。

どこから私の跡をつけてきたのかは分からないけれど、ちょうど家に着いたタイミングでその彼女に声を掛けられた。


『あなた、真夜の幼馴染だかなんだか知らないけど、すごく目障り。あなたの母親の見舞いのせいで、真夜が私とのデートをすっぽかしたんだけど』


その頃の私は、母が入院している病院まで真夜によく付き添ってもらっていた。

中学生になって、本当はもう一人で電車の乗り換えもできたけれど、何となく一人で行くのが心細くて、真夜に声を掛けて一緒に着いてきてもらっていた。


でも、たぶんそのせいで真夜は彼女とのデートの約束を破ってしまったらしい。

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