強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
『ごめんなさい』

謝罪の言葉が、私の口からこぼれた。

けれど、真夜の彼女はそうとう腹をたてているらしく、さらに私を責めてきた。


『いい加減、真夜から離れてよ。真夜の彼女は私で、あなたはただの幼馴染。あなたなんか真夜にぜんぜん相手にされていないんだから』


それだけ言うと、彼女は足早に立ち去っていった。

すごく一瞬のことで理解するまでに少し時間がかかって、私はしばらく玄関の前で茫然と立ち尽くしていた。

でも、ようやく事の状況が理解できたとき、ああもうダメなんだ、と悟った。


やっぱり私は真夜のそばにいるべきじゃない。

このまま真夜のことを好きでいるのはきっとよくないことなんだ。

このままこの想いを持ち続けていても、私は真夜に好きになってはもらえない。

私の存在が真夜の恋をジャマしているなら、私はもう真夜のことを諦めないといけない。

そう思った。

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