強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
そして、その週の土曜日。

私は、久しぶりに実家へと戻った。


木造三階建ての建物は、一階が店舗、二階と三階が住居スペースになっている。


私の実家は、創業百年を越える老舗の和食料理屋で、歴史に名の残る偉人や政界の大物、世界をまたにかけていた大物俳優なども訪れたことがあるというそれなりの名店。


父を大将とした数人の板前さんと、接客担当の女性従業員数名でお店を回している。


時間帯からして私が尋ねた頃は、お昼の営業を終えて、夜の営業に向けた仕込みが始まっている頃だった。

二階にある住居スペースへと繋がる外階段をのぼっていると、食欲をそそる美味しい香りが店の換気扇からふわふわとのぼってくる。
< 14 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop