強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~

それから晴斗君を連れて近くのショッピングセンターへと向かった。

早めに到着したおかげで、最前列から大好きなヒーローが登場するショーを見ることができて晴斗君は大興奮していた。

ショーのあとには握手と写真撮影をしてからショッピングセンターを後にした。

たくさんはしゃいだからか晴斗君は眠たそうで、途中でおんぶをしてあげると私の背中でいつの間にか眠ってしまった。

そんな晴斗君を、志穂さんが待つ自宅に送り届けてから、私もマンションへ帰宅することにした。


空を見上げるとさっきまで広がっていたはずの青空がどんよりとした灰色の雲に変わっていた。今日もこれから雨が降るのかもしれない。

念のためカバンの中に折り畳み傘を忍ばせてはいるけれど、できれば降り始める前に家に帰りたい。私は歩く速度を早めた。

けれど少し進んだところで、ポツンと頬に何かが当たる。

どうやらもう降り始めたらしい。

カバンから折り畳み傘を取り出して広げると、雨はザーッと音をたてて強く降りだした。

< 140 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop