強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「私と付き合っていた頃から、真夜にとって‟明ちゃん„は特別な存在だって会話の節々から感じ取れてた。しばらく会っていないって言っていたけど、もしも私と付き合っていた頃に二人が再会していたら、たぶん私は負けちゃっていたと思う」

「……」

その言葉に俺は返す言葉が見つからなかった。


優愛と付き合い始めたのは、日本へ帰国して半年ほどが経った頃。

何度か二人で食事へ行くようになり、優愛から告白をされた。でも最初は断った。そのときの俺はまだ明のことが忘れられなかったから。


俺にとって明はずっと‟妹„だった。

もしも俺に妹がいたらこんな感じなんだろうな。そう思いながら明に接していた。

そして、それはきっと明も同じだろうと思っていた。

明が俺に抱く気持ちもまた妹が兄を慕うような感覚だと思っていたから、告白されてもなるべく明を傷つけないようにサラッとかわしてきた。


そんな俺が、明のことを好きだと自覚したのはたぶんあのときだ。

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