強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「――ただいま」
優愛を自宅マンションへ送り届けてから自宅へ戻ると、リビングは真っ暗だった。
「明?」
照明をつけて、室内を明るく照らしても、そこには誰もいない。
夕方までには帰ると言っていたけれど、明はまだ晴斗君の家から戻っていないらしい。
運転中だったから確認することができなかったけれど、もしかしたら明から何か連絡が来ているかもしれない。そう思ってスマホを確認すると、思った通り明からのメッセージが届いていた。
それは、時間にして一時間ほど前。
優愛との食事を終えて、彼女を車で送っている頃に届いたメッセージだった。
「……は?」
それを読んだ俺は思わず固まってしまう。
「なんだよ、これ……」
そう告げる自分の声は震えていた。
思わず、スマホを握る手に力がこもる。
次の瞬間、今すぐに明のことを探さなければと、俺は慌ててリビングを飛び出した。