強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
でも、保しなで晩ご飯を食べて、お腹がいっぱいになったら気持ちも少し落ちついてきたし、そろそろ帰らないと。

私がずっとここにいたらお父さんも心配するだろうから。

家に帰ったら真夜に、あんなメッセージを送ってごめん、って謝ろう。

そう思った私は、ゆっくりとベッドから起き上がる。


「……」


でも、私が謝る必要ある?

ふとそう思い直した。


そもそも悪いのは真夜だ。

私と結婚したのに、こそこそと別の女性、しかも元恋人と会っていたんだから。

やっぱりここは悩んだり落ち込んだりしていないで、怒っていいところなんだ。

そう思ったら何だか腹がたってきた。

「真夜のバカー」

胸の中のモヤモヤを吐き出したくて、そう叫んだときだった。


「誰がバカだって」


……え?


ガチャッと部屋のドアが開いて慌てて振り向くと、そこに立っているのは真夜だった。

「な、なんでいるの」

居場所を伝えた覚えはない。

それなのに、真夜はどうして私が実家にいるって分かったんだろう。

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