強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「それで、俺と結婚しなければよかったってどういうことだ。俺、明に何かしたか?」

「……自分の胸に手を当てて、よーく考えてみたら」

素っ気なく、ボソッと小さな声で私は答える。

「は?」

真夜は、訳がわからないと不服そうな表情を浮かべてはいるけれど、考えてくれてはいるようだ。

でも、これといって思い浮かばなかったらしい。

「……ダメだ。分からん」

そう呟いて私を見つめる。

「俺、明に何した?」

私は、小さく息を吐いてから、ゆっくりと口を開く。

「……今日、真夜が女の人を車に乗せるところを見た」

「え」

「仕事関係の人と会うって言ってたのに……」

そう告げると、少しして真夜は理解したらしく「ああ」と大きく頷いた。

「女って、優愛のことか」

「……っ」

真夜の口から‟優愛„と告げられた瞬間、ズキンと胸が痛んだ。

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