強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
こんなにあっさりと認めるとは思わなかった。普通なら隠そうと思うはずなのに。私には隠す必要もないってこと? そう思ったら腹が立ってきた。

「最低。真夜のバカ。やっぱり結婚するんじゃなかった」

「は? 何? もしかしてこれが原因?」

「そうだよ。それしかないよ。どうして元カノを車に乗せたりしたの」

「元カノって、お前……」

今まで平然とした顔をしていた真夜がそこでようやく少し表情を変えた。

「どうして俺と優愛のこと知ってるんだ」

そう尋ねられて、私は打ち明ける。


東雲優愛さんが、私が働いている会社の新商品のイメージモデルになったこと。

職場の後輩が彼女のファンで、むかし噂になった元恋人についての情報を聞いたところ真夜が思い浮かんだこと。

さりげなく真夜にも聞いてみたら、やっぱり東雲優愛さんの元恋人は真夜だと確信したこと。


「……そうか」


私の話を聞き終えた真夜は静かに頷いた。
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