強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
初めての朝
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「ふぅ……いいお湯だぁ」
朝にお風呂に入るなんてたぶん初めてのことだと思う。
いつもはどんなに疲れて帰宅しても、夜寝る前には必ず入るようにしていたから。光が差し込む明るい時間帯の入浴が新鮮で、私は、普段よりも長くお湯につかっていた。
せっかくなのでいい香りのする入浴剤もいれてみて気分はゆったりリラックスだ。今日は日曜日で仕事も休みだしゆっくりしよう。
昨夜の名残で身体もまだ何だか重たい。それもこれも全部真夜のせいで……。
たっぷりとはった湯船につかりながら、ふと昨夜のことを思い出した私は、途端に恥ずかしくなってしまう。
「わあぁぁぁ~~」
思わず叫び声をあげながら、口もとまでお湯につかった。
このまま頭のてっぺんまで一気にもぐってお湯の中に姿を消してしまいたい。
そんなことを思ってしまうくらいとんでもない出来事が、昨夜、私の身に起きた。
忘れてしまいたいような、忘れたくないような……。