強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
朝、目が覚めたら夢だと思った昨夜の出来事は、私の隣ですやすやと眠る真夜と、身体中に残るだるさで現実だと理解した。

思い出すとまだ恥ずかしいけれど、でもすごく幸せな時間でもあった。

昨夜、私の実家から自宅マンションへ戻ると、玄関に入ってすぐ真夜が私にキスをしてきた。

そのまま真夜の部屋のベッドへと向かい、私たちは身体を重ねた。

途中からはよく覚えていない。いつの間にか私は眠っていたから。

今朝、目が覚めると真夜はまだ寝ていたので、起こさないようにそっとベッドから抜け出した。

そして、一人でのんびりと湯船につかっているのだけれど、


「――明」


ふと真夜の声が聞こえて、すりガラスにシルエットが見えた。どうやら彼も目を覚ましたらしい。

「風呂入ってるの?」

「う、うん」

思わず声が裏返ってしまう。

昨晩あんなことをしたあとで真夜と顔を合わせるのが気まずい。

「じゃあ俺も入ろ」

そんな声が聞こえて、ハッとなる。

私がまだ入ってるんだけど、まさか一緒に入るの?

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