強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
真夜は、手に持っていた朝刊とマグカップをダイニングテーブルへ置いた。それから私を振り返ると、視線を合わせるために高い背を屈める。

「どうした?」

真正面からじっと見つめられて、その視線から逃げるように私は俯いた。


真夜がいなくなってしまうことを想像したらこわくなった。だからこの先もずっと私のそばにいてほしい。


そんなことを打ち明けたら真夜はどう思うだろう。きっと困るよね。重たいやつって思われてしまうかもしれない。せっかく真夜に好きだって言ってもらえたのに、嫌われたくない。


「――おい」

「いたっ」


そんなことをうじうじと考えていたら、不意におでこにデコピンをされた。

「何か言え。急にそんな浮かない顔見せられたら気になるだろうが」

視線を上げると、不愉快そうに眉間に皺を寄せた真夜と目が合う。

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