強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「これも、むかしからの明の悪いクセだ。何か不安に思っていたり、悲しいことがあったりしたら、我慢しないで吐き出していいから」

「真夜……」

「これからは俺にちゃんと弱味をみせること。俺を頼ること。分かった?」

「……うん」

「それなら、よし」

真夜は口許を緩めて穏やかに笑うと、私の頭に手を乗せてポンポンと優しく撫でた。


幸せだな、本当に……。


まっすぐな真夜の優しさに胸がジーンとなって、自然と瞳が潤みだす。


やっぱり私は真夜が好き。大好き。だからずっと一緒にいたい。


いなくなったら、なんてもしものことを考えることはやめよう。だって、真夜はここにいる。私のすぐそばに。今はその幸せをただ純粋に受け止めればいいんだ。


そう思ったらさっきまでの不案な気持ちが消えて、少しだけスッキリした。

と、そのとき。

ダイニングテーブルに置いてある私のスマホがブーブーと音をたてて振動を始めた

「電話だ」

誰からだろう?

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