強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「初めまして晴斗君。俺は、明の旦那の真夜っていいます」

すると、その自己紹介に晴斗君がちょこんと首をかしげる。

「真夜が名前?」

「そうだよ」

「じゃあ旦那って何?」

「旦那は、そうだなぁ……。結婚した人ってことかな」

真夜なりに分かりやすく説明すると、それに対して晴斗君が大きな声をあげた。

「違うよ。明ちゃんと結婚するのは僕だよ」

「えっ」

「僕がダンナだよ。おじちゃんじゃないよ」

まさかそう返されると思っていなかったのか、真夜にしては珍しくきょとんとした表情を浮かべている。それがおもしろくて、ついまたクスッと笑ってしまうと、それに気が付いた真夜に鋭く睨まれた。

「ほら、帰るぞ」

そのまま手を握られてぐいっと引っ張られる。

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